2016年4月5日火曜日

お遍路手記(第7信)

メイです。

お父さんとお母さんがお遍路に行ってきました。


(第7信)平成28328日(月) 

お遍路に行ってきました。
今回は、第41番札所の稲荷山 護国院 龍光寺から、第45番札所の海岸山 岩屋寺までの5ケ寺。
この季節、早朝まだ肌寒かったのですが、お天気も良く、気温も徐々に上がり、お遍路日和となりました。

「日帰りお遍路」も今回で7回目を数え、参拝した寺院もすでに半ばを超えました。
回数を重ねてくると、わたくしのような参拝初心者でも、団体行動の中で各寺院の参拝手順にも慣れ、御堂前での「ローソク」「線香」「納め札」などの作法に、混雑・混乱することなく秩序ある行動がとれるようになりました。今では、参拝者の皆さんとご一緒に落ち着いて、気分よくお参りができるようになりました。

今回、特に楽しみにしていたのは、以前から写真などで見たことがある「岩屋寺」でした。
標高は700m、むき出しの岩峰が天空を突き、垂直な岩壁の中腹に埋め込まれるようにお堂が建てられている霊場です。駐車場には「ここから徒歩20分」という案内版がありましたが、これは健康な人の場合のようです。わたくしは30分近くをかけて年配者の腰に手をかけ、後ろを支えながらゆっくりと修験場に続く坂道を登っていきました。

 
しばらく登って、山門を通り抜けてもなお急な坂道と階段が続き、先が見えません。
すると突然、垂直に空高く伸びた巨大な岩壁が視界にはいり、その壁面にへばりつくように建てられたお堂の屋根が見え始めました。岩壁は屋根を覆い隠すように、天空から今にも落ちてきそうな気配がするくらいの奇峰です。

岩屋寺は13世紀頃までに建立されたと推測されていますが、それ以前から修行の場(霊場)でありました。たどり着くまでが難所続きの人里離れた山奥で、修業を行った空海をはじめ、多くの先人たちの吐息が五感に感じられる神聖な場所でした

林間に いにしえ人の 息づかい 五感に感じて 岩屋寺への道


ここに登ってくるだけで、修験者の「一心不乱で神聖な精神」を推し量ることができ、 心が洗われました。 現在では坂道や階段がありますが、整備されていなかった数百年前の建立の様子は想像もできません。

次回は4月27日(水)です。

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